2016年02月01日

久石譲 - リングにかけろ

ringnikakero.jpg
ゴブリン、バーニングと青春のアルバムシリーズが続いたので、調子に乗って第三弾w
今回取り上げるのは僕が生まれて初めて買ったこのアルバム。
レンタルビデオが普及する以前、人気コミックを題材としたイメージアルバムなる物が市場に存在しました。果たしてどのくらい売れていたかは定かではありませんが、一定のニーズは確実にあったらしく結構色々とリリースされてました。職業作曲家がオファーを受け担当する場合が多く、原作のイメージもあり、あまり攻めた音楽にすることも難しく、優等生的な無難なBGMサウンド主体で、基本的に音楽単体では語る部分が無い場合は殆どですが、映像コンテンツはTVか映画館で観るしかなかった当時、自分のイマジネーションを頼りにこういったイメージアルバムを聴くのは、現在では得ることの出来ない独特の楽しさがありました。
大友克洋の名作「童夢」のイメージアルバムも実は作られてて、コレが自分の知る限りでは一番の出来でお気に入りでした。
さてさて、シンセサイザーの存在すら知らない当時中1の自分は、小遣いも少なく音楽ソフトを買うこと自体稀で、薬師丸ひろ子の「セーラー服と機関銃」のドーナツ盤が所持レコードの全てだったわけですが、近所のユニーのレコード売り場でとてつもなく気になるモノを見つけます。

リングにかけろ

当時、ガキの自分のハートをガッチリと掴んで止まないジャンプイズムの代名詞、必殺技全開の車田正美の名作コミックのアレです。
漫画のはずのものがどうしてこのような音楽ソフトとして存在するのかも知らなかった自分が、好奇心を抑えきれず1ヶ月の小遣いの殆どをはたいてレジに直行したのは言わば必然でした。
速攻家に帰り、この得体の知れない物のフタを最高にドキドキしながら開けてみるわけですが、とりあえず主題歌らしき1曲目。
あ、こういうものなんだ・・・なるほど!
何となく冷静に概要を理解したのもつかの間、2曲目が始まり僕は驚愕することとなる。

「ブーメラン・スクエアー!!シュンシュンシュン〜〜〜〜ドゴーン!!!」

なんと各キャラの必殺技がかけ声と共に効果音付きで曲の冒頭に収録されてるんですよ!!この時点で、自分のこの散財は見事に正当化されたわけですが、次の3曲目でそれは確固たる確信に変わることになります。

「スペシャゥ〜・ローリン〜・サンダー!!ダカダカダーーーンッッ(約0.1秒)!!!」

ちょっと巻き舌で気取ったwかけ声の後に続く高速スネアの5連発!
それは志那虎の旦那のあのクールな名必殺技をモノの見事に再現した効果音でしたw
こいつはヤベーw 次々に炸裂するこの必殺技効果音の数々だけで、もう完全にノックダウンです。
音楽に関しては、キャラのイメージに合わせてオールジャンル色々な楽曲が収録されてて、ま、無難な出来。
一番無難でないのは、担当した作曲家がなんとあのジブリや北野映画で有名な日本が誇るサントラ・マエストロ「久石譲」!売れる前、こんな仕事もしてたんですね。言われてみれば、クラフトワークやタンジェリンドリームを意識したような曲もあり、氏の懐の深さが伺えます。
そんなわけで、特にナードコアでは相当の威力を発揮するであろうこのイメージアルバム。幻となりつつあるCD盤を無事ヤフオクでゲットしたので、今後も家宝として大切に保管していきます。
ちなみにベスト必殺技ネーミング賞を挙げるとしたら、僕は間違いなく即答で「ギャラクティカ・マグナム」と答えますねw
posted by HAAP at 15:34| Comment(0) | Music

2016年01月20日

Rick Wakeman - The Burning

burning.jpg
ベストテンが音楽の情報源の全てだった無知な自分に初めて音楽そのものの魅力を意識させた邂逅は、YMOではなく意外なところからでした。
13才の夏、「全米27州で上映中止!」の触れ込みにネタ半分で友人と観に行った映画「バーニング
ホラー映画の免疫がなかった自分にとって、それはそれは衝撃的な怖さでした。ま、その人格形成に大きく関わる思春期に受けた衝撃は、現在も見事に受け継がれてしまっているわけですがw
とにかく中坊の自分としては今まで知らなかった未知の世界に、もうとにかく興味を持ちまして、友人が買った劇場パンフレットをガキの自分は鼻息荒く隈無く熟読してたワケです。そして、そこに一際目立つ記事が目に入ります。
「恐怖のシンセサイザーサウンド!」「音楽を担当するのは英国ロックバンドYesのキーボディストRick Wakeman」
YMOはこの時期まだ知らなかった自分が初めて耳にした言葉「シンセサイザー」
正に人生の分岐点がココにあったわけです。
サントラアルバムが存在することを知り、近所のレコード屋に小遣いを握りしめ買いに行くわけですが、そんなマニアックな商品は当然置いておらず、高崎の新星堂へ。店舗の大きさもビックリしましたが、見事にあのサントラのカセットテープ(レコードプレーヤーが調子が悪かったため当時はカセットテープを選んでいた)が棚に並んでいたのを見たときは本当に感動的でした。すごいぞ、高崎新星堂!今はもう無いけど。。。
このサントラは少し特殊で、A面は映画のスコアをRick Wakemanが自身のソロ作品としてリアレンジしたバンドサウンド、B面が実際の映画のサウンドトラックとなっています。リアレンジしたメインテーマは、実にRick Wakemanらしい美しい名曲で聴き惚れてしまいますが、やはり神髄はB面のサントラスコアにあります。
この映画は「13日の金曜日」の亜流として、とかく過小評価される傾向にあるのですが、いやいやどうして。緊張感では確実に本家を超えています。そしてそこに一役買っているのが紛れもないRick Wakemanのこのスコア。美しさと70年代特有の陰鬱さを併せ持つメインテーマを筆頭に、それこそMoogサウンドのオンパレード。鋭利なナイフを突き刺すような緊迫感溢れるMinimoogの咆吼は、Pink Floydの「On The Run」を彷彿とさせ、実に素晴らしい。特にモジュレーションを多用した「炎」のクリエイティビティたるや、耳の肥えた今でこそ特筆に値する素晴らしさ(不穏な音で夜聴くとちょっとコワイですがw)。GoblinやオーメンのJerry Goldsmithに次ぐ素晴らしい仕事です。
そんなワケで、YMOなりGoblinなりYesなり、そして何よりもシンセサイザーという電子楽器に繋がっていくルーツの原点がここにあるのです。
ちなみにこのアルバムは長らくCD化されていませんでした(どうやら本人があまり気に入っていなかったらしい)。約20年待ち続けてやっとCDで再発を果たした時の感動と言ったら!ホント感無量です。
ま、今では既に廃盤となってますがw

posted by HAAP at 14:33| Comment(0) | Music

2016年01月17日

Goblin - Tenebre

tenebre.jpg
僕がホラー映画ファンだということは一部の知り合いのみ知る事実ですが、その嗜好はサウンドトラックと大きく関係しています。もともとフィクションとしてのクリエイティビティを刺激されるジャンルだけに音楽も創造性豊かでありながら直情的に訴えかける分かり易さがあり、特に70年代のホラー映画はエクソシスト、オーメンに始まりキャリーやハロウィン等、名スコアが多い。そして、そのサントラの成功の好例として絶対外せないのがダリオ・アルジェント作品のサントラを手がけるイタリアンプログレの雄「Goblin」であります。
思えば15の頃から一貫して彼らのファンであり、彼らの主要アルバムもほぼ所有している筋金入りのファンですが、ダリオ・アルジェントの黄金期に於けるサントラアルバムに関してはとにかく名盤揃い。デビュー作「Profondo Rosso(サスペリアPART2)」が本国イタリアの音楽チャートで1位を独走し、サントラとしては異例の300万枚のセールスを記録しているのも驚きますが、まさしく映画音楽で成功したロックバンドと言えよう。
アルジェント映画に関わったどのアルバムも甲乙付けがたく、どれか1枚を選ぶのは非常に難しいのですが、特にクラブミュージックに与えた影響から絶対に外せないのが本作「Terebre(シャドー)
バンド自体はすでに分裂状態にあったためGoblin名義ではありませんが、主要メンバーがほぼ揃っていて実質Goblinのアルバムということで差し支えないでしょう。
彼らの音楽性は印象的なリフやメロディの反復を基調としたプログッレシブロックなのですが、このアルバムではKeyのClaudio Simonettiが大活躍で、なんとリズムマシンを大々的にフィーチャーしたディスコアルバムに仕上がっています。
特筆すべきところは、畑違いのそれっぽくした付け焼き刃の「ディスコ調」とかではなく、Giorgio Moroderにも匹敵するような本格的なサウンドプロダクション。メインテーマのLinn Drumにしても、FlashingのTR-808にしても、そのサウンドは紛う事なき一級のイタロディスコ。当時、イタリアのディスコで流行ったのも頷けます。メインテーマは言わずもがな、「Flashing」なんて今聴き返してみるとArthur Bakerばりの疾走感あふれるエレクトロビートに後半のTangerine Dreamのようなジャーマンプログレエッセンスが加わり、終始シビれまくり。そういえば、この曲がM.A.N.D.Y.のDJミックスに使われてて鳥肌を立てたのを今でも覚えてます。
ちなみに2000年あたりまでは知る人ぞ知るバンドだったんですがね。インターネットの普及とJusticeがメインテーマのボコーダーをサンプリングしたことによって、今ではすっかりメジャーになりましたね。
余談ですが、昔DJでこのメインテーマのRemixをかけた時に「ゴブリン最高!」と声を掛けられたことがあります。DJ中であまり話は出来ませんでしたが、あの時は嬉しかった。
あのとき声を掛けてくれた彼は今何処。もっとゆっくり語り合いたかったw


posted by HAAP at 16:07| Comment(0) | Music