2015年12月13日

Justice - Audio, Video, Disco

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2007年、衝撃的なJusticeのデビューアルバムにより、クラブシーンのメインストリームは大きく塗り替えられた。
過剰のコンプ&ディストーションサウンド、キックが叩きつけるサイドチェインコンプ。正に現在のクラブミュージックの源流がここにあると言っても過言ではないでしょう。
そんな自分も、初めてこのアルバムを聴いたときはその衝撃に・・・と言いたいんですが、実は最初はあまりピンとこなくて、音作りが過剰すぎてちょっとここまではどうなんだろう?と、どちらかというと懐疑的な冷めた目でシーンを見つめていました。きっと短命で終わるムーブメントかなと。
ところがこの歴史的名盤を聴くうちに・・・というか、いつの間にか何度も繰り返し聴いている自分に気づくうちに、ラストを飾る「One Minute To Midnight」に心底ノックアウトされ、いつの間にやら手のひら返して愛聴盤です。
すいません、僕は頭の固い保守的人間でした!w
そんなパイオニアの彼らが4年ぶりにリリースした本作「Audio, Video, Disco
おそらく全てのクラブミュージックファンが期待と注目をしていたことでしょう。
ところがいざ蓋を開けてみると、以前の過激なサウンドは息を潜め、より音楽的に、まるで70sプログレを彷彿とさせるクールダウンな内容へとシフトしていました。バキバキの過激サウンドで踊りまくりたいファンのほとんどが肩すかしを喰ったことと思います。
ただ、僕はこの音楽的変化を素直に歓迎していました。だってね、歪みをエスカレートさせても先はないですよ、やっぱり。全ての色を過剰に混ぜていけばやがては黒になってしまうように、いずれは行き詰まるのは目に見えてます。なので、勢い先行の前作から、より音楽的に楽曲そのものの良さで勝負する方向にシフトするのは至極自然で、当然正しい選択だと思います。事実、先入観無しにニュートラルにこのアルバムを聴いてみると、そのレベルの高い楽曲群に聴き惚れるはず。特に70sプログレを通過してる自分には正にツボに入る、素晴らしい内容の大作だと思ってます。
・・・そう・・思ってます。。。楽曲そのものに関しては!
実は、自分はどうしても納得できない部分がこのアルバムにはあります。それは恐らく大小差はあれど、聴いた誰もが感じてるハズ。
それは「音質」!
このアルバム、ものすご〜く「音が悪い」のです。まるで64kbpsのMP3でエンコードされた粗悪音源のような、デジタルノイズ交じりのスカスカでペラペラの痩せたサウンド。iPodの標準イヤホンで聴いてもストレスを感じる音の悪さ!そしてピュアオーディオで聴いても変わらない音の悪さ!w
あれだけの創意工夫を以て制作したであろう楽曲群からは考えられないサウンドプロダクション。なんと勿体ない!!
雑誌のインタビューで「サウンドは敢えてあの質感にした」と彼らは答えていましたが、きっと単なる言い訳でしょう。同じ70sのコンセプトで制作されたDaft Punkの「Random Access Memories」やMiike Snowの「Happy To You」を聴いてみてください。質感は確かに当時を彷彿とさせますが、音質はまったくの別物。文句のつけようのない見事なサウンドプロダクションです。
はたしてどのような制作過程でこんな結果になってしまったのか、同じ制作者として興味が尽きません。
奇しくも名作になり損ねてしまったこの作品。
いつの日か、リメイクされて完全な形として甦る日を・・・きっと来ないと分かっていながらも、いつまでも心待ちにしています。
posted by HAAP at 20:42| Comment(0) | Music

2015年12月11日

Yes - Fly From Here

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80sのイメージがついて回る自分ですが、実は70sプログレッシブロックの大ファンでもあります。
とは言っても、メジャー処をかじるくらいで、やれカンタベリー系がどうとかそこまでディープではなくて、ピンクフロイドやイエス、クリムゾン等の大御所を中心に聴くくらいのライトなプログレファンですがw
その自分のプログレ歴の入り口として最初に聴いたのが「イエス」。
イエスのファンはかなり拘りのある頑ななファンが多いことで有名ですが、自分は割と節操なく、超名盤の「こわれもの」や「危機」と同列で商業音楽として成功した「90125」もなんの抵抗もなく聴けてしまうミーハーなファンであったりします。
ただ、90年代以降の作品はピンとこなくて自然と彼らの音楽とは疎遠になっていました。
そんな状況の中、2011年に突如としてリリースされた本作「Fly From Here」。いや〜ビックリしました。結集したメンバーは曰く付きの「ドラマ」の面々。そう、あの「ラジオスターの悲劇」のバグルスが参加したあの面子でのまさかの再結集。
プロデューサーは勿論トレバー・ホーン、楽曲はバグルスのセカンドアルバムにボーナストラックで収録されてた「We Can Fly From Here」のリメイクとあっては、もはやいてもたってもいられない。
気が付けば「危機」や「90125」に次ぐヘビーローテーションの愛聴盤となっていました。
往年のイエスファンには「ジョン・アンダーソンのVoにあらずんばイエスにあらず」という向きがありますが、僕から言わせれば今回に関してはVoに抜擢されたベノワ・ディヴィッドが逆に良かった。彼がVoでありながらサポートに徹することで(元々イエスのコピーバンドからの抜擢なのでリスペクト値が高い)逆に楽曲そのものがクローズアップされ、従来のイエスサウンドのしがらみにとらわれず、非常にニュートラルな質の高い名盤に仕上がっています。
それにしても何故こんなにも、このアルバムは僕の琴線に触れるのだろう。
色々考えて気付いたのですが、このアルバム、勿論イエスでありながら、それ以上にバグルスなんですよね。
「バグルスのニューアルバムにゲストでイエスが参加」
語弊を覚悟で言えば、そんなイメージで自分は捉えています。だからこんなにもツボにハマるのだと。
バグルスファンの皆さん。だまされたと思って是非聴いてみてください。
きっと彼らのアルバムを聴いてた当時の、あの新鮮な感覚が甦ってくると思いますよ。
posted by HAAP at 23:31| Comment(0) | Music